4、海難による死傷者等の状況
七年における死傷者等(死亡・行方不明・負傷者をいう。以下同じ一の状況は、総数で六九九人であり、前年に比べ一三五人増加した。うち、死亡者数は、一四一人で前年(一三三人)よりも八人増加、行方不明者数は、六九人で前年(九三人)よりも二四人の減少、負傷者数は、四八九人で前年(三三八人)よりも一五一人の増加であり、そのうち旅客にかかわるものが二二〇人で前年(八九人)よりも一三一人の大幅な増加であった。
また船員の死傷者等は三五七人と総数の五一・一%を占め、負傷者を除いた死亡・行方不明者だけにしぼってみると、全体の死亡・行方不明者総数の八二・九%となっている。
死傷者等の状況を事件種類別にみると、衝突(単)の二〇四人、

用語・略語の説明
火災 船舶で火災が発生し、船舶に損傷を生じた場合をいう。ただし、他に分類する海難の種類に起因する場合は除く。
爆発 積み荷等が、引火、化学反応等によって爆発し、船舶に損傷を生じた場合をいう。
機関損傷 主機、補機が故障した場合、または燃料、空気、電気等の各系統が損傷した場合をいう。
属具損傷 船体には損傷がなく、船舶の属具に損傷を生じた場合をいう。
施設損傷 船舶が船舶以外の施設と衝突または接触し、船舶には損傷はないものの、当該施設に損傷を生じた場合をいう。
死傷等 船舶の構造、設備または運用に関連し、乗組員、旅客等に死傷または行方不明を生じた場合をいう。ただし、他に分類する海難の種類に起因する場合は除く。
安全阻害 船舶には損傷がなかったが、貨物の積み付け不良のため、船体が傾斜して転覆等の危険な状態が生じた場合のように、切迫した危険が具体的に発生した場合をいう。
運航阻害 船舶には損傷がなかったが、燃料・清水の積み込み不足のために運航不能におちいった場合のように、船舶の通常の運航を妨げ、時間的経過に従って危険性が増大することが予想される場合をいう。
※軸舶の種類(船種)
旅客船 定期旅客船、カーフェリー、連絡船等、主として旅客の運送に従事する船舶で、旅客定員が十二人を超えるものをいう。
貨物船 コンテナ船、自動車運搬船、砂利運搬船等、主として貨物の輸送に従事する船舶をいう(油送船は除く)。
油送船 原油タンカー、ナフサタンカー、LPG船等、油類(原油、石油精製品およびLPG等)の輸送に従事する船をいう。
漁船 漁ろう船、サケ・マス母船、漁獲物運搬船等、漁船法第二条第一項第一号から第三号までに定める船舶をいう。
その他 引船、押船、作業船、はしけ、遊漁船、プレジャーボートなどをいう。なお、プレジャーボートとは、モーターボート、ヨット、水上オートバイ等、海洋性レジャーに使用される船舟類の総称として使用している。
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